Obsidianのソースコードは公開されていません。
いわゆる「第二の脳」として使うことを考えたとき、ソースコードが公開されているかどうかを重要視する人は少なくないと思います。僕も(重要視というほどではないものの)「公開されているほうが嬉しいな」と思うタイプです。というわけで、
- なぜオープンソースではないのか
- 今後オープンソースになる可能性はあるか
ちょっと調べてみました。
オープンソースではない理由
Silver(開発者の一人)がフォーラムで「今のところオープンソースにする意味はない」というようなことを言っていました。
Open Sourcing of Obsidian – Meta – Obsidian Forum
理由は以下です。
- オープンソースだから安全だとは限らない
- オープンソースだからより早く改善できるとは限らない
- オープンソースは必ずしも永遠に続くわけではない
- オープンソースとして開発するには労力がかかる
2つ目と3つ目、4つ目に関しては、個人的には完全にその通りだと思います。
1つ目は「クローズドだと勝手にデータ取られてるかもしれないじゃん」という反応に対するもので、彼は「セキュリティ監査いれれば保証できるかもしれないけど絶対じゃないしお金もかかる」というようなことを言っているのだけど、これは僕にはあまりピンときませんでした。少なくともオープンソースであれば(労力を厭わなければ)自分の目で検証できるし、それが重要なことに思えます。
しかしオープンソースだったところで、現実的に自分でコードを読んで使う人なんてごく稀だとは思うし、それよりも単にプライバシー・ステートメントを明確化することで対応すればいいじゃんという主張は十分に理解できる話です。
他にも、Licat(同じく開発者)が「ビジネス上の観点から」オープンソースにしないことの意味を語っていて、これも大変もっともなことを言っています。
本筋から離れますが、この人は本当にコメント返しがうまい。たとえばこれとかカッコいい!
If you are unsatisfied with the alternatives, and believes that Obsidian is truly excellent, then I would invite you to consider that maybe, just maybe, some parts of this success can be attributed to the close sourced magic sauce.
言うべきことをきちんと言いつつ相手を立てる、みたいな感じで、コミュニケーション能力強いなと思います。あと、文章がうまくて優秀なハッカーなんだろうなと感じてしまいます(「優秀なハッカーは文章がうまい」に引きずられている)。名前から察するにサリンジャーの影響なのでしょうか?
今後の可能性
ObsidianはLicatとSliverが作り始めたアプリケーションですし、今のところ彼らが中心であり続けているようです。上記の投稿をみた感想として、開発/運営の体制がよほど変わらない限り今後もオープンソースになることはないだろうなと感じました。
冒頭にリンクを張ったフォーラムや以下のHNコメント欄では、「開発を継続できなくなったときはオープンソースにするのも悪くない選択肢かもね」みたいなことも言っていて、これには期待してもいいかもしれません。
「開発を継続できなくなったらオープンソースにすると事前に約束するのもありかも」みたいなアイデアも出ていて、利用者としてはもちろんそっちのほうが嬉しいですが、結果的にオープンソースにするのと事前に約束するのはまったく話が違うし、事前の約束に期待するのはあまりにも無理があるかなと思ったりもします。
どうでもいい感想
フォーラムにはオープンソースにするべきだ!みたいな人が大量にいてビックリしてしまいました。
そんなにオープンソースのObsidianが欲しくて、しかも実現可能だと主張するくらいなら自分で作ればいいのですよね。単に「オープンソースじゃないなら使わないぜ」みたいに言う人は全然良いと思うのですが・・・
おわりに
フォーラムから開発者のコメントをかいつまんでみましたが、英語が苦手なので実はきちんと意図を取れている自信がありません。遠からずだとは思いますが、適宜該当のコメントにリンクを張ったので、できれば原文も読んでほしいです。
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